蛸の柔らか煮(桜煮)


皆さま、こんにちは! 
足立区は北千住駅から2駅 
五反野駅より徒歩4分 
下町の旨い寿司屋 
すし処としの店主 森敏也です。

【煮蛸】
お寿司屋さんのつまみに
出てくるあの蛸の煮方、
お店によって違いがありますが
としの煮蛸は他店に比べて
本当に柔らかく煮てあります。
箸で切れるくらいに。


蛸を煮るうえでのポイントは
いくつかあるのですが、

➀皮が剥がれてない
➁吸盤が取れてない
➂吸盤に汚れが残ってない

などがあります。

1番簡単な方法は
蛸を冷凍してしまうこと。
冷凍することによって
蛸の筋繊維が破壊され
煮た時に柔らかくなります。
まあ、凍らせて細胞壊すみたいな。
現代における文明利器の賜物ですね。

としでやってる仕込み方ですが、
まず蛸の目と口、内蔵を取ったら
「素揉み」といって
何も加えずひたすらに揉みます。

その後に「塩揉み」
塩を片手で鷲掴みくらいの量を
蛸に当てて揉んでいく。
肌に耐性がない人はここらへんで
めちゃくちゃ痒くなってきます。

ゴム手袋をして仕込むのも
正解ではありますが、
それでは肌に耐性がつかないので
職人人生を続けていくなら
避けては通れぬ道かもしれません。

塩揉みした蛸はそのあと、
「流水揉み」
水を流して塩抜きしながら
蛸を揉んでいきます。
ちなみにこの時、水じゃなくて
45℃のお湯でやるのがおすすめ。
滑りが取れるのが早いです。
あんまり熱めのお湯でやると
煮る時に皮が剥がれやすいので
注意が必要ですね。

流水揉みをしたあと、
最後は大根おろしを蛸に当てて
揉み込んでいく。

これでばっちり、
「ぬめりと臭み」取れます。

揉んでいる時はどの工程でも
吸盤の中まで綺麗に掃除することを
意識してやるとなお良しです。

大根おろしを流水で流したら
蛸の水を切って、
ペーパーをあてて余分な
水分を取りましょう。

そうしたら、今度は棍棒で
叩いて筋繊維を破壊していきます。

直接蛸を叩くと皮や吸盤に
傷がつく恐れがあるので
ビニールをかぶせてから
叩くと良いでしょう。

蛸の筋繊維がほぐれたかどうかは
蛸を触ればすぐにわかります。
ふにゃんってなってますから。

叩き終えたら次は煮ていくのですが、
直接鍋に火を当てて煮ると
沸騰時の気泡(ぶくぶく)で
皮が剥がれる恐れがあるので
蛸の煮汁がはいった鍋に蛸を入れたら
蒸し器に投入します。

そうすることによって
蛸の皮が剥がれず、吸盤も壊れず
煮ることができます。


いやあ、
蛸の仕込みひとつとっても
書き起こしてみるとここまで
工程があるもんですね。

どの魚、食材もそれぞれ
工程が大事になってきます。

職人の技術ももちろん大事ですが
やはり知識、そして経験からくる
知恵が大事なんですね。


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